【防犯の基礎知識】割れた窓ガラスは早めに修理した方がよい理由とは?

ガラスにヒビが入ってしまった、子供がボール遊びをして窓ガラスを割ってしまった・・・。

 

そんな時、修理をせずに窓ガラスを壊れた状態で放置している・・・、なんてことはありませんか。

 

もし、「割れた窓ガラス」を放置しておくとどうなるか。

 

実はこれについては興味深い研究があります。1982年(昭和57年)、犯罪学者のジョージ・ケリングと政治学者ジェームズ・ウイルソンが考案した「割れた窓ガラス」という理論です。

 

 

■ 割れた窓ガラス理論(Broken Windows Theory)

 

割れた窓ガラス理論によると、ビルの窓ガラスが割れた状態で放置されていると、更にほかのガラスも割られたり、次第に建物全体が壊されてしまったり、落書きされ、浮浪者や犯罪者などのターゲットにされてしまう可能性が高くなる、ということがわかっています。

 

また、「割れた窓ガラス」は、人間の心理にも影響を与えます。割れた状態の窓ガラスを見ていると、部屋の内側にいる人も、建物の

 

私たち人間が暮らす空間は、住宅などの私的な空間、または、オフィスなどの公的空間のいずれであっても、建物だけでなく、その周辺の敷地も含めて管理されるのがベストです。

 

しかし、「割れた窓ガラス」を放置していると、外部から「縄張り意識の薄い場所だな」と見られやすくなります。

 

すると、空間認識の秩序が崩されやすくなってしまい、どんどん壊れたり壊されたりしやすくなってしまう。

 

それが「割れた窓ガラス理論」(Broken Windows Theory)を導いてしまうのです。

 

では、どうすればいいのでしょうか。

 

答えはシンプルで、「割れた窓ガラスは早めに修理した方がよい」ということになります。

 

壊れたままに放置しておくのではなく、できる限り早めに修理しておくのです。

 

早めに修理しておけば、ちゃんと管理していることが外部にも伝わります。

 

 

 窓ガラスを破壊する犯罪心理の背景

 

一般的に、モノを破壊するような犯罪につながる原因やその要因には、大きく分けて2通りあります。

 

一つは、社会的な構造によるもの。

もう一つは、一人一人の人間の心、心理が関係するものです。

 

また、いじめ、業績不振、家庭内不和など、日常生活の中で生み出されるストレスが原因で、物理的な大きな破壊につながってしまうケースもあります。

 

犯罪者が入りにくい環境を作り、犯罪の機会を奪うことが、防犯の第一歩になります。

 

防犯力を高めるためにも、壊れた窓ガラスは早めに修理しておくのがよいと言えるでしょう。

 

 

2024年10月20日(日)

有限会社矢口硝子店

 

防犯に強い窓ガラスとは

住宅やオフィスなどの窓は、殆どがガラスでできています。

 

ガラスにはいくつかの種類があります。防犯に強いガラスもあれば、防災に強いガラスもあります。

 

以下、防犯を考えるうえでポイントになるガラスの種類について、ご参考までにお伝えさせていただきます。

 

 

1)フロートガラス(板ガラス)

一般的に普及しているのがフロートガラスです。厚みがあればあるほど強くなりますが、一般的に普及している窓ガラス用のフロートガラスの場合、強い力を加えると割れることがあります。

 

2)網入りガラス(ワイヤーガラス)

防火用として開発されたのが、網入りガラス、別名ワイヤーガラスです。ガラスの中に格子状のワイヤーが張り巡らされているガラスであるため、万が一の火災の時に一定の強度を保つと言われています。但し、強い力を加えると割れてしまうため、防犯上の弱さがあります。

 

3)強化ガラス

自動車のフロントガラスなどに用いられているのが強化ガラスです。フロートガラスよりも強度はありますが、強化ガラスは壊れると粉々に砕け散り、小さな破片が散らばります。一度割れてしまうと、そこから中に侵入されやすいのが弱点です。

 

4)ペアガラス

ガラスを重ね合わせたのがペアガラスです。これを割るためには一枚の板ガラスを割るよりも時間が掛かります。

 

5)合わせガラス

ガラスとガラスを特殊な樹脂で挟んでいるのが合わせガラスです。割られにくいという点では最も優れていますが、費用も掛かります。

 

6)防犯フィルム(フィルム張りガラス)

ガラスにフィルムを貼っておくことで、割られてもガラスの形状を保ち、中に侵入されにくくする効果が期待できます。

 

7)窓の鍵は大丈夫?

窓の鍵も防犯上の重要なポイントです。侵入者は窓ガラスの全部を破壊して中に入るのではなく、鍵の近くのガラスをくり抜き、鍵を開けて侵入することがあります。鍵が掛かりにくい、または鍵のかけ忘れがあると、侵入者のターゲットになりやすくなります。一般的に、侵入に10分以上の時間が掛かると侵入者は諦める傾向があると言われています。侵入者が容易に入れないようにするためにも、窓ガラスと併せて、普段から窓ガラスの鍵の点検もしておくとよいでしょう。

 

8)小さな窓も気をつけて!

住宅やオフィスには、洗面所やトイレ、お風呂場、廊下や階段などに小さな窓が設置されていることがあります。小さな窓であっても小柄な侵入者であれば中に入れる可能性は否定できません。また、小窓の場合、ガラスだけでなくサッシの部分も丸ごと破壊して中に侵入することも考えられます。小窓の開け閉めや管理も日頃から気をつけておくようにしましょう。

 

 

2024年10月20日(日)

有限会社矢口硝子店